以前こんな問い合わせが届きました。
「カスタムIEMを最近手に入れたんですが、遮音性が高いので外でも使えるのか気になっています。外でも普段カスタムIEMを使っていますか?難聴リスクも心配です」
こんな内容の質問でした。
念願のカスタムIEMを入手されたみたいなんですが、いろいろ使用上の心配があるとのことで、まず、外使いですがボクは基本的にカスタムIEMはあまり使っていません。
というのもやはり安全性を考えるとどうしても注意力が散漫になってしまいます。
自分が不注意で痛い思いをするのはまだいいですが、他人に迷惑をかけるのが一番不安だからなんですね。
外で使ってはいけない事はないんですけど、いつも以上に注意力は必要になります。
そんな安全面や難聴リスクも踏まえてお伝えしていこうと思います。
どの程度遮音されるの?

カスタムIEMって自分の耳型をもとに作られているので簡単にいえば「耳の穴にそってピッタリ蓋をする」イメージなんですね。
ピッタリ蓋をしてしまうから外界の音はほとんどカットされてしまいます。
完全というわけではなくって、無音時であれば多少の音は感じ取れます。
あと自分の内部から伝わる音、骨を通して伝わる音なんかも聞こえてきます。
(うまく伝わるかな?説明が下手すぎて笑えてきた。。笑)
でも一度音楽を流してしまうとそんな音は余程の爆音でもない限りまったく聞こえなくなります。
まさに音楽と自分だけの世界で、比較的騒音の電車の中でも音楽を再生したら聞こえないレベルですね。
外使いでの危険性

で、そんな遮音性を誇るカスタムIEMですが、これを外で使うとなるとかなり危険性が増すわけで。
ボクも以前は普通にカスタムIEMを外使いで愛用していましたので、どのくらい聞こえなくなって注意力が散漫になるか体感しています。
まず車の音。
正面や横からくる分にはある程度対処できますが、背後からくる時は気配が察知できないのでそこで事故る場合だってあります。
それは車に限らずバイクや自転車も同様ですね。
ふと振り返ってみると直前まで迫っていたなんてこともあるので危険性は高まります。
滅多にないですけど、人に話しかけられた時も正面からでない限りなかなか気づけない。
特に電車。
座席に座って音楽に集中していると、話しかけれても気づけないんですよね。
あと車内アナウンスも聞こえないので、カスタムIEMをしたままつい居眠りをしてしまって今どこにいるのかが分からなくなる時がある。
そんな凡ミスまで引き起こしてしまいます。
どうしても外で使うなら

それでも外部の音を遮断した最高の環境で音楽を楽しみたい気持ちはよくわかります。
カスタムIEMを付けていると見た目もいいですしね。
そんな外使いでボクが意識していたポイントをいくつか紹介していきます。
- 音量を上げすぎない
- 馴れた道を歩くとき、馴れた場所でのみ使う
- 意識を常に周囲へ気を配る
- 何かあればすぐに外す
- 自転車での使用はNG
の5つです。
音量を上げすぎない
カスタムIEMはその遮音性の高さから、音量を上げすぎなくても細部までよく聴こえるっていうメリットがあります。
なのでむやみやたらに音量を上げすぎないですみます。
仮に上げすぎても鼓膜にダイレクトに音圧がかかるのですぐに聴き疲れすると思います。
なによりカスタムIEMで音量を上げ過ぎれば難聴リスクも格段にあがるので「音量を上げ過ぎない」は自分の耳を守ることにもつながりますので音量管理は意識したですね。
馴れた道を歩くとき、馴れた場所でのみ使う
ボクは基本的に馴れた道や、馴れた場所でしかカスタムIEMを使っていませんでした。
自分が馴れた道であればどこに何があるのか大体把握してますし、車などが出てくるポイントも把握している。
なので余程のことがない限り事故にあったりするリスクを最小限に抑えることができわけです。
その逆に。
まったく知らない新しく道だったり、不慣れな場所であれば絶対に使いませんでした。
不慣れであるからこそ、音を遮断されると常に意識が散漫になるので音楽を楽しめなくなるし余計な疲れを引き起こします。
自分なりにいつも通る通勤通学の道や馴れた道であればそういったことも回避できるので安心してカスタムIEMを使えますね。
意識を常に周囲へ気を配る
で。
そんな馴れた道や場所であっても常に意識を周囲に配慮する必要はあるわけで。
とっさの判断や、状況判断ができないので、音楽を楽しみながらも意識だけは音楽にすべてを集中させずに周囲を見渡す余裕は持っておきたいですね。
これが馴れない場所だとそうはいかなくて。
先ほどもお伝えしましたが馴れない場所だからこそ、周囲への意識が行き過ぎて「音楽に集中できない」「周りも気になる」と散漫になり疲労の原因になるので使用は避けた方がいい。
馴れない場所なら遮音性の低いタイプが周りの音も聞こえてきて少しは安心して音楽を楽しめると思います。
何かあればすぐに外す
人に話しかけられたり、何かあればすぐに耳から外すようにしたいですね。
イヤホンをしたまま人と話すのは相手からしたら不快ですし、カスタムIEMであれば何を言っているかまず分かりません。
なので基本的なマナーではありますが、そこはしっかり抑えておきたいポイントですね。
自転車での使用はNG
最近でこそあまり見かけなくなりましたが、自転車でのイヤホンは明確な罰則こそないですが、地域別に見てみるとイヤホンをつけての自転車運転は禁止されている地域があります。
カスタムIEMであればまず周囲の音が聞こえないので自転車に乗るのはもちろんNG。
一番危険性も高く、冒頭でもお伝えした通り、「自分が怪我をする分にはいいが、他人に怪我をさせる」のは一番やってはいけない事です。
仮に相手に怪我や、最悪、打ちどころが悪くて取り返しのつかない結果になる可能性だって十分にあります。
なのでイヤホンをしたまま自転車に乗るのは絶対にやめておいた方がいいとボクはそう思います。
難聴のリスク

これはイヤホンでもヘッドホンでも同じですが音を耳元で楽しむ以上、ついて回るのが「難聴のリスク」です。
カスタムIEMであれば、使い方次第ではより難聴のリスクが高まる。
そもそも、遮音性の高さから外部の音はほとんど聞こえない。
なので、外でも音が聞き取りづらいなんてこともなく、必要以上に音量を上げる必要もないですね。
参考記事:「【危険】大音量で聴くヘッドホン、イヤホン。気付かない間に忍び寄る”難聴”の影」
カスタムIEMは一番鼓膜などに近い機種ですから、耳に負荷がかかりやすい。
なので少しでも耳に違和感があったり、耳の奥が痛くなったりしたら迷わず使用をやめて休憩を挟んでくださいね。
耳のかぶれ
耳の掃除すると中が赤くなって時間が経つと更にかゆくなった経験はありますか?
耳の中ってとても繊細で綿棒で軽く掃除しただけでも赤くなって腫れる事もあるんです。
カスタムIEMもカナル部分が直接外耳道に触れるため、耳の中でかぶれが出てくる恐れがあります。
一度痒みが出たら無理して使わず、イヤホン類は完全に痒みが消えるまで使わないほうが無難です。
夏場の汗は特に要注意ですが、どうしても耳の中に汗による湿気があるので蒸れやすくかゆみを起こしやすい原因になりかねません。
なので、耳に痒みが出た場合はすぐに使うのをやめて回復を待ったほうが治りも早いと思います。
終わりに
カスタムIEMを外に持ち出すことは全然悪いことでもなくって、電車や飛行機の騒音もほとんどカットしてくれます。
音楽の世界に入れますし外で聴くことで、家では感じ取れなかった音楽の表現や外での環境でしか聴こえてこない心に響いてくメロディだったり。
外に持ち出すメリットも相応にあるので、ぜひこれまでお伝えしたことに注意を払っていただいて、いい音楽生活をお過ごしください。