いつだったかこんな質問をもらいました。
「同じイヤホンを長く愛用したんですが、使い続けていると音質は劣化していきますか?そうならない対策方法もあれば知りたいです。」
こんな質問でした。
結論から言うと、イヤホンの特性と保管環境で変わってくる場合があるので「イヤホン」一括として断言はできませんが、ボクは「劣化する」と考えています。
イヤホンの特性というのは安価なタイプなのか、またはハイエンドタイプのイヤホンなのか。
ハイエンドタイプであれば堅牢性や耐久性も考慮されたものがあるので、大量生産できる安価なタイプと比較すると「音質劣化」には強い。
どちらのタイプでも保管環境が悪ければ外観も音質も当然はやく劣化してしまうわけで。
イヤホンの使用にとうもなう音質劣化とその対策法についてお伝えしていこうと思います。
約10年使い続けたイヤホン

ボクも約10年くらい愛用しているイヤホンがあります。
finalの「piano Fote Ⅱ」です。
2010年発売のモデルでハウジング裏面の空気孔の穴が1つ目タイプの最初期モデルですね。
なぜここまで長く使ってきたのか。その経緯については「【イヤホン・ヘッドホン】値段が高いほど音は良い。→いやそんな事もないという話。」で書きました。
「使い勝手がいいから使っていた」というのが正直な動機なんですが、ある時気付いたんです。
まるで空気のように普段は意識していないけど、「常に手元になくてはならない存在」
ということに。
そんな思いがボクの潜在意識の中にあって発売当初からこれまで長い間手元に残り続けていたんですね。
どんな音
そんなこんなで約10年以上、一度も交換することなくpiano Fote Ⅱを使い続けているわけなんですが、どんな音なのか。
それを振り返ってみると、
「スピーカー的なサウンド」
になります。
先程もお伝えしたんですが、「特にコレ」という特徴はあまりないんです。
目立って解像度や明瞭度が高いわけでも、低音域に特化したでもない。
音に厚みもそこまで感じられないのに、それでも手放せなかったんんですね。
スピーカーで聴いた音と、piano Fote Ⅱで聴いた音って一見、まったく比較にならない音質差があると誰もが考えると思います。
たしかに、そう考えるのも不思議ではないし、上記でも書いた特徴もあります。
でも。
スピーカーと、piano Fote Ⅱの根底的な部分の音の響き方は同じだとボクはそう体感しています。
目立ったサウンド的な特徴はないけれど、すべての全帯域を立体的に鳴らして「音楽を聴く楽しさ」を余すことなく表現してくれる。
その使い勝手の良さとシンプルで上質なデザインも相乗効果として愛用し続けた要因だと思うんです。
途中で断線
いつだったかある時、左側から音が出なくなった時がありました。
もちろんその当時は愛着なんて意識はなかったのでまた新しいのを買えばいいと思いっていたんですが、ボクがとった行動といえば、筐体を分解して内部の15.5mmφドライバ配線を自力でつなぎ直したんですね。
結果はうまくいきました。
断線部の修理も完了して、音も正常になったのでこれまで通りのサウンドを鳴らしています。
どこかに異音がするでもなく問題はありませんでした。
音質劣化
そんなんこんなで10年近くたった頃にあることに気付いたんです。
女性ヴォーカルものを聴いていたときに、音が割れてきたことに。
明らかに、「ビリビリ」と音割れしていました。
しかも以前修理した左側ではなくて、なんの以上もなかった右のドライバからでした。
一応、予備のpiano Fote Ⅱも持っていたので聴き比べてもやっぱりノイズが入ります。
このことからpiano Fote Ⅱのドライバになにかしらの劣化が起きて、ノイズが出始めたと推測できます。
元値が5000円以内で変えた機種で、扱い方もかなり乱雑でした。
なのでここまでもったのが不思議なくらいなんですね。
piano Fote Ⅱ購入と、時を同じくして導入したカスタムIEMもあります。
こちらは今でも現役バリバリの良質なサウンドを鳴らしています。
傷みも少なく使っているのですが、piano Fote Ⅱとの劣化の差は何かと考えると
冒頭でお伝えしたとおり、イヤホン本来の特性と保管方法ですね。
劣化しないための対策法

ここで、どんなイヤホンでもあてはまる音質劣化が少なくなるそんな解決法をお伝えしていきます。
ケースで保管
使い終わったら専用の保管ケースにイヤホンを入れる。
これを意識するだけでかなり劣化の進行を遅らせられると実感しています。
専用のケースで保管することによって、ケーブル断線のリスクがまず減ります。
続いて、イヤホンにとって大敵な「湿気」や「ホコリ」なんかからも保護することができる。
ひと手間ではありますが、その「手間」こそが大事なイヤホンを長く使っていく上で重要なポイントになりえると思います。
湿気にさらさない
んで、
湿気ですが、間違いなくイヤホンの音質劣化を招いていしまう原因の一つ。
筐体やケーブルに付着する程度ならそこまで問題はないですが、内部に湿気が染み込んでくるのは避けたいところ。
堅牢性や耐久性(防水性)にすぐれたイヤホンならまだ安心ですが、それ以外だと湿気を浴び続けることによって、イヤホン本体のパフォーマンスもジワジワ落ちてくるので注意が必要です。
あ、そうそう。
入浴後のイヤホンの使用。
これも気をつけたいポイントですね。
タオルでよく拭いていはいても、耳の中はしばらく湿気っている、もしくは濡れた状態なのでイヤホンを挿すと気持ちが悪い感覚になると思います。
また濡れた状態で使うと耳垢も同時にイヤホンに付着してしまい、イヤホンが汚れる音導管が垢で詰まる恐れもあります。
もう一つ、濡れた耳垢がイヤホンでより耳の奥に追い込まれて難聴のリスクも懸念されるので注意したいですね。
汗をそのままにしない
湿気に付随して、人体からくる劣化の原因。
汗がかんがえられます。
あと皮脂なんかはケーブルやハウジングの劣化につながります。
夏場は要注意で、耳の中で汗がイヤホンの音導管を伝ってドライバまで到達する恐れが出てくる。
カナル型や、カスタムIEMは特に気をつけたいですね。
音楽聴き終わったあとの汗や皮脂汚れはメガネ拭きなどの柔らかく、目地の細かい布で丁寧に拭き取っておくと劣化を最小限で抑えられます。
埃の多い場所で使わない
意外と埃も油断大敵ですね。
イヤホンをケースに入れることもなく、そのまま放置し続けるとミクロの細かい埃がイヤホンに積もってきます。
音導管のフィルター部分に溜まれば音質の傾向は微妙に変化してきますし、筐体に空気孔があるタイプのイヤホンだとそこから埃が侵入してくる可能性だってあります。
そんなところに入ればもう取ることは困難なので、たかが埃と侮らず対処したいですね。
使い終わったらそのまま放置しない
これが一番の音質劣化につながる原因じゃないかと思うんです。
これはボクも同じことしてた経験があるから言い切るんですが、使い終わったらそのままPCやプレイヤーにつないだまま放置。
なんてことをしていました。
放置したままにした事による雑な扱いで劣化のスピードはより上がります。
イヤホン本体の変色や傷、内部のドライバは湿気や汚れで本来の性能が衰えていく。
実際にこれをし続けたために断線もしたし、傷などの劣化も目にみえて判別できていました。
まぁそんなこんなで10年は持ちましたが、片側にノイズが乗るという異常が出ているのはこれらの蓄積によるものと分析しています。
終わりに
ボクが長い間使い続けているpiano Fote Ⅱは比較的安価なイヤホンなわけですが、なんだかんだ高低の激しい音源以外はまだ使えはします。
これまで雑に扱ってきたとはいえ、必要最低限の保管はしていました。
なので、ここまで持ったといえるんですね。
何が言いたいかというと、安かろうと高かろうと要は「保管や扱い一つでイヤホンの音質や劣化の進行を遅らせることができる」ということです。
もしイヤホンを長くいい音を維持したまま使い続けたいのであれば、今回お伝えしたことをぜひ参考にしてくださいね。