ある飲み会の帰り。
いい気分で音楽を聴きながら自宅へ帰っていると、ある”変化”に気づきました。
音量をいじった訳でもないのに異様に音が小さく感じる。
ボク自身、基本的にイヤホンしか外では使わず、またプレーヤーだったりアンプだったり、その機種に見合った音量をそれぞれ一定に設定しています。
なので外ではうるさ過ぎず、小さ過ぎず。その音量設定をしっかり把握しているんですが、飲んだ後に聴いた音楽がどうにも音が低い。
というよりも、音が低くて少し耳が遠く聞こえる印象。
飲酒で耳がむくんでしまって、うまく耳穴にイヤホンが刺さっていないのかといろいろ試すけど、違和感がぬぐえない。
仕方がないのでその時は少しボリュームを上げて聴いていました。
次の日、すっかり酔いもさめて、普段通り音楽を聴こうとプレーヤーの再生をしました。
「!!!??」
思わずビクッとなるくらいの音量です。
「何で??」と思い、よくよく振り返ってみると、前の日に音量設定をいじっていた事をすっかり忘れていたわけですが、飲酒をするとこうも耳の聞こえ方が変わってくるのかと体感しました。
通常時の2倍といわなくらい音量を上げていたのには我ながら驚愕です。
意外とこの現象について周りに聞いても、「分からない」と返ってきたりします。
ネット上で調べてもさほどコレ!という情報もなく。。
なのでもし、ボクと同じ悩みを薄々でも感じていた方に向けて、これまでそこまで気にならなかった方も一緒に今回の「飲酒で音楽の聴こえ方が変わる」というテーマを一緒にシェアできたらなと思います。
飲酒によってどう聴こえ方が変わるの?
飲酒によって何となく音が変わる。
っていうことは以前から薄々気づいてはいました。
その時は、若干ヴォーカルの厚みが薄いと感じる程度だったんですが、
今回に限っては友人と楽しく盛り上がったこともあり、かなりの量を飲みました。
まさに酔っ払いと言われるレベルですね。(そんな状態で音楽聴いて帰るなって話なのですが…)
具体的にどんな風に聴こえていたかというと
- ほとんどの音域が通常よりとにかく通遠い
- 高域がシャーシャー聴こえる
- 低音域の輪郭はぼやけて聴こえる
- 音は遠く感じるのに細かい音は頭に入ってくる
っていう感じに聴こえます。
普段より音は遠く感じるのにやたら高域の主張が強いんですね。
高いヴォーカルだとちょっとノイズに聴こえたり。
なのにそれぞれの細かい音は際立って聴こえてくるから謎です。
なぜ飲酒をすると聞こえ方が変わるの?
もそもなぜ飲酒をすると聞こえ方が変わってくるのか。
結論から言うとはっきりとした原因は定かになっていません。
しかし、飲酒をすることで、非常に楽しい、開放的な気分になりますよね。
それが気の知れた仲間だったり、楽しい席だったりするとその傾向はより強くなります。
その興奮で”交感神経“と呼ばれるものが活発になり、知覚が研ぎ澄まされ、普段よりも聞こえ方が良くなるようです。
この働きが、「音は遠く感じるのに細かい音は頭に入ってくる」の要因と思われます。
また酔いが進むにつれて「大脳新皮質」といわれる部位がだんだんマヒしてきます。
この部分は「思考」や「理性」を司っていて、飲酒によりそこがマヒすると、話し声が大きくなったり、楽しい気分になるのはそれが為です。
気分が浮ついた感覚、それが聴覚にも作用して「音が遠く感じる」と思うわけです。
お酒と音楽

結局のところ、お酒を飲んで音楽を聴けば通常よりも聞こえ方は変わってしまうのですが、要は、「どこに視点をおいて音楽を楽しむか」です。
例えば、ジャズバーなんかでお酒を飲みながら聴く音楽は極上の時間です。
酔ってはいてもとても心地の良い音楽に、魂が浄化されるような感覚に陥ります。
むしろ、ゆっくりとお酒をたしなみながら、素晴らしい演奏を聴きく。
それだけでも音楽が何倍も魂に響てきます。
また、自宅でも同じ事がいえると思います。
これはボクも良くやる事なんですが、その日の仕事が終わったらすぐ家に直行します。
風呂で汚れを落とした後、一息つく間もなく、事前に冷やしておいたビールを片手にオーディオ機器の電源をすべてON。
部屋を薄暗くしたらその日の気分に合わせた盤をセット。
キンキンに冷えたビールを流し込みながら、流れるアナログレコードの音に耳を傾ける。
それだけで、一日の疲れがふっ飛びますし、また明日も頑張ろうとなるわけです。
これは余談なんですが、飲みながら聴く音源は解像度の高いパキッとしたデジタルではなく、レコードなんかの”深み”ある音楽が、極上の時間を体感させてくれるのでおススメです。
温かい歌声の歌謡曲でもいいし、アップテンポな音楽もいい。
クラッシック系の音楽もその世界に入りやすくなるので一押しです。
アルコールが体に入ることで、そのふわっとした感覚の中で、あたかも「コンサート会場会場にいる」かのような疑似体験が普段よりしやすくなります。
もちろん、それぞれ好みがあるので自分に合った音源を聴くのが何より一番です。
話がそれましたが、そんな風に飲酒をしなが音楽を聴く。
「その場の雰囲気をより際立たせる」「場に合った楽しみ方」それが飲酒をしながらでも楽しく音楽を聴けるポイントではないかと思います。
むしろ飲酒して、がっつり音楽を聴き込もうと考えたら、個人差こそあれ、「音が遠く聞こえる」「高域が強調される」などの感覚になるので、避けたほうが無難かと思います。
酒による音楽を聴くことへの危険

また飲酒に伴い、外出時における音楽鑑賞は危険と隣り合わせなので注意が必要です。
主に、飲酒後にイヤホン等をして歩行するのは通常より注意力が落ち、散漫になっているので交通事故や思わぬケガが予測されます。
自分がケガする分にはまだ良いですが、他人に迷惑をかけるリスクもかなり高くなります。
せっかくの楽しい気分も台無しになるし相手方にも迷惑をかけます。しかも音楽はまともに聴き取れない。
そう思うといい事は一つもないと感じます。
(ボクはもう飲酒後に音楽は聴きません…)
また、音量を上げ過ぎたことによる聴覚へのダメージも懸念されます。
参考記事:「【危険】「大音量で聴くヘッドホン、イヤホン。気付かない間に忍び寄る”難聴”の影」」
この記事で詳しく書きましたが、一度失われた聴覚は元に戻らないので注意が必要です。
特にカスタムIEMを普段使いにされている方は、飲酒後の使用は細心の注意を払って下さい。
カスタムIEMに限らず、イヤホン、ヘッドホンをお使いの方全てに言えると思います。
好きな音楽が二度と聴けなくなるほど苦しいことはないですからね。
おわりに
まとめると
- 飲酒によって、その量にもよるが、まともに聴き取れるレベルではなくなる。
- 音は遠くなるんだけど、適材適所でその場に見合った音楽の楽しみ方をする。
- 飲酒した後、音楽を聴きながらの歩行は要注意。
- うまく「飲酒」と「音楽」が交わればそれが癒しと喜びにかわって「生きがい」になる。
です。
適量の飲酒と音楽を聴く環境さえ整えば、これほど強みのある楽しみ方って他に無いと思うんですね。
なぜなら、その日の嫌な出来事も、憂鬱なことも、内側の汚れを浄化してくれる上、明日への活力まで補ってくれるんです。
それに聴いている音楽への愛着や興味もより上がると思います。
音楽を聴きながら、お店や自宅でゆっくりお酒を飲みながら楽しむ。
安全に楽しく。
うまくバランスを取りながら「お酒」と「音楽」を楽しみたいですね。