夏の暑い日、友人とこんな会話をしていました。
友人「俺、ヘッドホンを外でも使いたいんだけど今の季節暑いんだよね」
ボク「確かに暑いね。特にこの時期は。」
友人「でも、音楽はどんなに暑くてもヘッドホンで聴きたいし…]
ボク「うーん。汚れるの覚悟で替えのイヤーパッドを持つか、専用カバーつけるしかないね。」
友人「…」
ってな具合に、夏のような高温多湿の環境でもヘッドホンを使いたいという方は多いのではないでしょうか?
「夏の海で爽快な音楽を楽しみたい」「夏はライブイベントも多いのでヘッドホンで気分を上げたい!」などその時期にしか得られない感覚もありますよね。
友人のように暑いけどヘッドホンをしたい!でも対策するのも面倒と感じる人もいるかもしれません。
また、最近ではおしゃれでスタイリッシュなヘッドホンも無数に販売されているので、どうしても使いたいと考える人もいるかと思います。
そもそもヘッドホンは「暑い!」なんていう認識だけで購入を避けているっていう別の友人も身近にいました。
結論から言うと、高温多湿でのヘッドホンの使用は一応可能です。
正確には、壊れても替えが効く、またはイヤーパッドなどの交換が容易いにできる、専用のカバーに対応しているなどの機種に限らてきます。
これはイヤホンにも言えることですね。
イヤホンであればイヤーピースと呼ばれる部分がありますが、それを多湿なところで長時間使う事で、通常よりも早く交換が必要になったりします。
でも、それが理由で気になるヘッドホンやイヤホンの購入をやめるのはもったいない。
なので今回は、それぞれの適材適所な環境に応じた使い方をテーマにして、みなさんと一緒にシェアしていこうと思います。
なぜヘッドホンは暑いの?

ヘッドホンは暑いし蒸れる。
欲しいヘッドホンがあるけど、そんな認識があって踏み出せない、それ以前に、周りから「ヘッドホンは暑いからやめておいて方がいい」なんて言われた人もいるかもしれませんね。
そもそもなんでヘッドホンが暑く感じるのかというと、何となく想像が付くと思いますが、そもそもの作りが耳を覆うように設計されているからです。
いわゆる、”冬場の耳当て”と大差はないので、夏場に耳を防寒しているのと同じ状態なんです。
密閉型と言われるヘッドホンは特に「革製のイヤーパッド」が使われる事が多いので間違いなく暑いですね。
暑い日にヘッドホンを頭にかければ、密閉された耳の周りはどんどん蒸れてしまい、それに伴って不快感も増します。
ヘッドホン(イヤホン)へのダメージ

夏や温かい時にヘッドホンをするのは絶対に暑い。
そんなことは分かっている。分かっているうえで使用する。
それ自体、本人さえ良ければ問題はないかと思います。
ここで気になってくるのが、高温多湿の中で長時間使用する。それが起因となるヘッドホンやイヤホンへのトラブルやダメージです。
まずは、イヤーパッドやイヤーピースの劣化が挙げられます。
この部分は人間の肌に直接触れるものなので、暑い寒いに関わらず使用頻度が高いほど、劣化は早くなります。
いわゆる、消耗品に当たるわけですが、その点をメーカも理解しているので、交換用のイヤーパッドやイヤーピースを別売りで無数に販売しいているんですね。
普通に使用していればそう簡単に劣化するというものでもなく、ある程度長くは持ちます。
ただし、これが暑さによる汗や皮脂に晒される機会が増えることで、その寿命が短くなるのも事実です。
特に汗や皮脂はヘッドホンやイヤホンの筐体、ケーブルに付着することで、こちらも同じく劣化の原因に繋がります。
一番やっかいなのが暑さでイヤーパッドの中が蒸れて、その汗が内部の「ドライバーユニット」に入り込んでヘッドホンそのもが鳴らなくなる。
なんて事態も大いにあり得ます。
「ドライバーユニット」とはヘッドホンにおける心臓部、音を鳴らすために必要不可欠な働きをしますが、そこを汗で傷めてしまう恐れもあるのでかなり注意する必要があります。
イヤホンで言えば、カナル型と言われるタイプが耳の中に入れるタイプなので、ヘッドホンと同じことが起こると考えられます。
カスタムIEMなんかは自分の耳に合わせた作りなので、汗も皮脂もダイレクトに付着して劣化が心配されます。
また音導管をつたって汗や汚れが内部に入って故障でもすると、それを直すのに高額な修理費用が掛かるので、目も当てられません。
使用する本人へのダメージ

ヘッドホンやイヤホンの故障だけでもショックですが、使っている本人も不調をきたすこともあるので、そこも掘り下げてみましょう。
繰り返し話しましたが、暑い時期にヘッドホンやイヤホンをすると蒸れて、汗や皮脂汚れがより多くなります。
今度はそこから雑菌が繁殖して、自身の皮膚にも悪影を与えます。
肌荒れや、汗疹だったりかゆみの原因だったり。
ボクの場合だと頭皮が弱く、ヘッドバンドの負荷がかかった状態で汗と皮脂が増えると、上記の症状がすぐ出てきます。
「これで解決!ヘッドホンを使って崩れる髪型を気にしなくても良くなる方法」
ここでも書きましたが、見た目に関して、髪型の崩れとかそんなところにも繋がります。
また雑菌が増えることで”臭いのもと”になりかねません。
イヤホンだと耳の中に入れるという特性から、外耳道が擦れて、その傷口にカビの繁殖が起きることもあるんです。
それが進行して「難聴」になったなんて事例もあるくらいで、高温多湿での使用にはとにかく注意が必要です。
暑い時でも使える解決策

いろいろとマイナスのイメージが多い印象ですが、暑いジメジメした時でもヘッドホンやイヤホンを上手く使用する方法をいくつか紹介してみます。
- ヘッドホンのイヤーパッドに対応した専用のカバーを付けてみる
- 長時間ではなく細切れにヘッドホンやイヤホン外して休憩をはさむ
- なるべく涼しい場所に移動しながら使う
- イヤホンなら「インナーイヤー型」を使う
- ワイヤレスイヤホンを使う
の5つが有効です。
1.に関して、最近は便利なものが登場していて、殆どの機種に対応できる伸縮性をもち、イヤーパッドを保護できる専用カバー「mimimamo」があるんです。
吸湿性、速乾性も高く、蒸れがほとんど防げるという優れもの。
実際、蒸れた印象を感じさせないので、あのベタっとした不快感からは脱却できます。
洗濯も手洗いでやれば長持ちするので、どんどん活用したいアイテムですね。
音に関しても、カバーじたいが薄く設計されているのでさほどの影響はなく、少なくとも外出時に使うなら全く問題まいレベルと感じます。
防臭・抗菌機能もあるので、ヘッドホンユーザーで夏場に使用を考えていた方は、ぜひともオススメできるカバーですね。
2.はとにかく小まめにヘッドホンなどを外して汗を拭く。
そうすれば自身もヘッドホンも最小限のダメージで済みます。
3.陰になる場所や地下街、建物のなかを移動できるならどんどん利用していくという方法です。
夏の時期なんかは大抵、クーラーが効いていいると思うので、そこで涼んでいけば汗もそんなにかかないと思います。
4.はイヤホンに限定した方法ですが、耳の中に入れるカナル型ではなく、耳の淵に装着するインナーイヤー型が効果的です。
インナーイヤー型であれば、取り外しや再装着が楽なうえ、開放的でリアルな音が得られたりと、夏場は利点が多いです。
しかし、インナーイヤー型は開放的な鳴り方から、つい音量を上げ過ぎてしまいがちです。
よくイヤホンで音漏れを盛大にしている人を見かけますが、ほぼこのタイプのイヤホンです。
音量を上げ過ぎると難聴の危険もあり、要注意です。
参考記事:「【危険】大音量で聴くヘッドホン、イヤホン。気付かない間に忍び寄る”難聴”の影」
5.ワイヤレスイヤホンは、ケーブルの脱却により、もっと快適に音楽を楽しみたい方に向いています。
ケーブルがないので、湿気を感じたらすぐに外して細かくふき取れます。
また移動中に絡まないので、ただでさえ暑いのに、「イヤホンが絡まって面倒だ」というストレスからは開放されます。
おわりに
結果的にまとめると、
- 汗を多くかく時期でもヘッドホンやイヤホンは使える
- 使う場合は、対策を施して、涼しい環境をうまく使いながら使用する
- 故障や汗皮脂によるリスクを頭に入れて使用する
になります。
自宅での場合も同様で、クーラーや扇風機で涼みながら聴くのがベストです。
入浴後聴くのであれば、体の熱がある程度冷えるまでまって、体が完全に乾くのを待ってからの使用が良いですね。
入浴後すぐ、髪や耳が濡れた状態でヘッドホンやイヤホンをすのは「汗で蒸す」と変わらないので。
毎年訪れる暑いジメジメとした季節。
音楽を聴くのが好きな人にとって、いろいろ悩ましい時期ですが今回の記事を参考にそれと上手に向き合って、楽しい音楽ライフを過ごしていただければと思います。