
ヘッドホンで音楽を聴いていて、ある程度時間が経ってくると
ほとんどの人が考えるようになってくるのが、
「もっと音質を上げたい」、「ヘッドホンの実力をフルに発揮させたい」
といった事だと思います。
じゃあ、具体的にどうするのかと言えば
・ヘッドホンアンプや周辺機器を新しくする
・電源にこだわる
・音楽プレイヤー側で好みのイコライザーを設定する
・ヘッドホンのイヤーパッドを交換する
・ケーブルを変える
などが挙げられます。
リケーブルってなに?

この中で一番、音質向上に効果があるのはヘッドホンアンプや周辺機器を新しくする事です。
でも、アンプやDAC、電源回りを強化しようと思えばかなりの出費になり、
それができれば苦労はしないというのが本音。
ではそれに近い効果を得られる方法は何かといえば「リケーブル」になります。
リケーブルとは、元々ヘッドホン本体に付属していた純正のケーブルから
他社製の、もしくは自作で作ったケーブルを付けて音質UPを図ろうという意味です。
たかがヘッドホンケーブルだと思って侮っているとかなりの損なので、
是非、この機会に見直してみるのもありかと思います。
線材の種類

リケーブルで使われる線材にも色んな種類があり、大まかに分けると
・銅線
・銀メッキ銅線
・銀線
になります。
上から下の順で価格も高くなる傾向です。
「高純度」と記載された場合は同じ線材でも高価になり、
電気信号を損失なく伝えるという点で有利となります。
これらの線材は編み込んで作られる場合が多いですが、
8→16→32本編みなど、基本的に編み込む本数が増えるほど音質も良くなります。
銅線は「低域」が深く、銀線は「高域」が伸び、線材で音も変わってくるので面白いですね。
リケーブルの威力

ここではFocal「Utopia」をリケーブルして、純正ケーブルとの比較をして
みようと思います。
Utopiaはアンプや周辺機器、ケーブルを含めたその本来の持ち味をダイレクトに鳴らすヘッドホンなので
線材にもそれ相応のもの、ハイエンドケーブル3点を用意しました。
ちなもにUtopia純正ケーブルの仕様はOFC(無酸素銅) シールドケーブルとされています。
①銀メッキ銅線
②PCOCC×16+高純度銀メッキPCOCC×16の計32本編み
③4N純銀線+金メッキの16本編み
※「PCOCC( Pure Cupper Ohno Continuous Casting Process)」単結晶状高純度無酸素銅の略。
なんだかとても難しい…
名前ですが、知名度的にはかなり高く、多くのメーカーが採用しています。
銀メッキ銅線
「高域と音の広がり」が強みです。
しかし細い銀メッキ銅線のみなので、低音域がだいぶ弱い印象。
使う機材によっては純正ケーブルのままでもいいレベル。
32本編み
銅線の低音と、銀メッキ線による高域の伸びを併せ持ち、純正ケーブルを軽く凌駕します。
その編み込んだ本数からは質の高い解像度とパワフルな重低音を奏でだします。
4N純銀線+金メッキの16本編み
純銀線に金メッキをコーティングされた、径の太い線材を編み込んだケーブルで、
圧倒的な解像度と透明感を誇るケーブルです。
音の情報量がとてもに多く、キレの良いサウンドです。
ボーカルは輪郭がぼやけずにセンターにビシッと決まります。
銀線なのにパンチのある低音に、思わず顔がにやけてしまします。
純正ケーブルはもちろん、32本編みですらこもって聴こえるほどです。
おわりに
今回はUtopiaを基準に比較しました。
この他に単線といわれる線材も使ったことがあるのですが、サウンド的にはそこまで….。
だったので現状
「4N純銀線+金メッキの16本編み」
がUtopiaにはベストマッチでした。
ケーブル1つでこれだけの”変化”があるのをなんとなく理解していただけたと思うんですが
実際は上記以外に、いろんなリケーブルが存在しています。
なのでそれを試しながらながら探すのも楽しみの1つかもしれませんね。