つい先日のこと。
職場の誰かが怒鳴り合っていたんです。
まぁ肉体労働系ではよくあることなんですが、みんなとくに気にすることもなく仕事を進めていきます。
(怒鳴り合っている本人たちも、すぐケロっと機嫌が戻っていつも通りになります)
ボクはいわゆる「HSP」と呼ばれている気質に該当していて、最近までその事実を知りませんでした。
もう今の仕事を始めて何年も経ちますが、未だに騒音やそんな大きな声が苦手なんですね。
なにかトラウマがあるわけでもなく、とにかく苦手。
まるで自分が責められているような感覚に陥るんです。
HSPについては「【HSP】繊細さんに音楽をおすすめする理由」でも書いたんですが、まぁ何かと生きづらさを感じることが多い気質なんですね。
ボクがしている仕事もそんな気質を深く理解する前に選んでいたので、これがなかなかHSP気質の人間にとっては「真逆」な環境で。
工事系なので
「耳がおかしくなるような騒音はする」
「怒鳴り声は四六時中」
「繊細とは真逆の位置にいる人ばかり」
なんですね。
「なんでそんとこ選んだの?」
っていわれても、今となればまさにその通りなわけで。笑
そんな気質をもってはいても、良いこともその倍くらいあります。
その内の一つが「音をとことん楽しめる」
これがHSPの長所の一つなんですね。
繊細な気質をもつ人はとても音に敏感

繊細さんは、音に対しては良くも悪くもかなり敏感になるところがあります。
でもどんな音が苦手なのか、どんな音であれば心地よさを感じるのか。
その辺を分析していけば、悪い音にたいしてはその対策を、いい音にはそれをより楽しめるように工夫する。
こうやって向き合っていくとで、音をうまくコントロールしながら過ごしていくことができます。
どんな音が苦手なのか

冒頭でもお伝えしましたが、とにかく人の声でも物音でも、かん高い音が苦手。
自分に向けられたことではなくても、ずっと気になってしまう。
ボクが体験したことや、HSPを持つ方の悩んでいるポイントを具体的に考察していくと
- 大きな声
- 怒鳴り声
- サイレン
- 騒音
- 咀嚼音
- テレビやスマホの音
が考えられます。
この中でいくつか原因を取り上げて、経験談を交えながらお伝えしていこうと思います。
大きな声、怒鳴り声
大きな声を発する人や、すぐ怒鳴る人が近くにいるとHSPとしては相当なストレスを感じる方が多いでね。
ボクもそうです。
「なんでそんなにビクビクしてるの?」
なんて言われることもありますが、それをしなくて済むのなら苦労はしないわけで。笑
無条件でとんでもない恐怖感が襲ってきます。
たちが悪いことに自分ではなく、別の人が言われていてもそう感じるんですね。
誰しも怒鳴り声が好きな方はいませんが、「どうも感じない」って人や「右から左に聞き流す」そんな人も大勢いる。
ボクはこれでもかなり慣れた方だと自分では思っていますが、それでも大きい声や怒鳴り声が聴こえると極端にビックリするし、頭が真っ白になりますね。
ものを雑に扱う音
うーん。
ものを雑に扱う音、要はものをすぐに「ポーン」と投げる人とかも苦手ですね。
当人は置くのが面倒に感じて、ただ放っただけなんです。
でもその行為と音を聞くと「この人なんで機嫌が悪いんだろう」「俺なんかしたっけ?」
と負の思考のループにハマります。
だからどっと疲れる。
投げたものが床とかに響く音ってなんでこんなに精神をえぐるんでしょうね。
騒音
騒音に関しては工事のせわしない音もそうですし、人ごみのザワザワ感も思考を狂わせてきます。
聴覚が鋭敏なHSPにとっては一種の超音波と同じ。
頭の中がごちゃごちゃしてきて、仕事どころではないです。
プライベートでも余程のことがない限り、人ごみの中には近づきませんし、騒音がある所には寄りません。
咀嚼音
咀嚼音。
別にHSPでなくても嫌いな方は大勢いると思います。
でもね。
音に対して敏感であれば、この咀嚼音ほど脳波を狂わせるものもなくって。
一度耳に入るとその咀嚼音に一点集中してしまい、どんな音かを分析し始めるので厄介なんですね。
どんなタイミングで、どんな噛み方をしているかなど。
そんなところまで勝手に細かく情報として入るので、コントロールが難しいんですね。
テレビやスマホの音
あとスマホやテレビの音。
これも疲れている時なんかは、とくに聴覚を刺激してきます。
大声とは違う、中身の薄っぺらな甲高い音がとにかく耳に刺さるんですね。
だから普段はテレビを付けることもほとんど無いですね。
(そのおかげで、スマホのアラーム音にはすぐに反応できるメリットもあるわけですが。笑)
あとはちょっと余談的なことですが、音に敏感だからこそテレビやスマホなんかで同時に音を鳴らしている人が気になってしょうがない。
あとはテレビを付けているのにイヤホンで音楽を聴いたり。
考えただけで耳と頭がごちゃごちゃしてきます。
ボクだけかな…?笑
原因を知った上で

ざっと「音」を過敏に感じるその原因を取り上げてみました。
それを理解した上で改善を図っていくわけですが、一つ言えることは焦らないこと。
生まれ持った気質である以上、時間をかけて改善していく。
そのくらいの気概が必要で、別に今すぐ出来なくても問題なんてありません。
なので、自分のペースで原因をひとつ一つ受け入れて改善していくこと。
そうしていく中で、「嫌だなと感じる音」に対しての躱し方や向き合い方が見えてくると思うんですね。
具体的対処法

- 大きい音や怒鳴り声を上げる人
こういった大きい声を持っている人に萎縮してしまう。
これは別にその人がなにか悪いわけではなく、個性の違いなのでそこをまず理解するようにしてみる。
怒鳴り声を上げる人は、いくつかパターンがあるのでそこを見極めてみると楽になります。
※「演技」の場合
その場を締めるインパクトとして、あえて「演技」としてやっている人も中にはいるんですね。
そんな人の特徴って、怒鳴った後にまったく感情が高ぶっていない。
話しかけても、いつもどおり普通なんですね。
感情ではなく「理性」で演技しているので、最初はビクッとなるかもしれないけど、落ち着いて見るとそんなに恐れることもないと分かります。
だから、まずはそこを見極める。
※感情むき出しの感情
あからさまに感情をむき出しにしている場合は、相手にする必要もなく
「気の毒な人」と、おおらかな気持ちでいることが一番。
その人の状況を観察すると、そこまでしないと「舐められる」と威勢を張っている時もあります。
あるいは、図星をつかれて感情的になっているか。
なのでそんな時は言葉は悪いのですが
「弱い犬ほどよく吠える」
これを思い出すと落ち着きます。要は弱いから怒鳴るんですね。
だからそこを理解すると、恐怖が少し和らぐと思います。
※自分を振り返る
あるいはその矛先が自分に向いていなら、なぜそんなに怒鳴っているか。
そこのみを考えてみる。
すると、自分に落ち度があると思えたならそれを受け入れて、改善していく。
その積み重ねで大声を上げなくなることもあります。
※短気タイプ
ただ単に「短気」な人にあたった場合。
気に入らないことがあればすぐ激昂する人ですね。
もし自分に落ち度がないのであれば、全てをシャットアウトして聞かないこと。
相手を刺激しない程度に反応して、あとはシャットアウト。
最初は難しいですが、聞かないことで余計な情報をカットしてしまえば、疲れを軽減できます。
どうしてもそういう怒鳴ったり威圧感がある人が苦手なのであれば、思い切って
距離を置いてしまう。
これは英断だと思いますし、良い判断だとボクはそう感じますね。
ストレスだけでは身を壊しますし、自分に合うべき環境をもっと深くみつけてく。
それが、いきいきと個性を発揮できる次のステップにつながると思うんです。
- 騒音
物理的な騒音や、人ごみのぐちゃぐちゃしたような感覚。
これは繊細さんいとってはかなり息がつまりますよね。
ボクもその気持は良く分かります。
酷いときであれば頭痛がひどくなるし、目を回してしまうこともあります。
でも生きていく上でどうにかやり過ごすことも必要になる。
仕事上の騒音であれば、「耳栓」をオススメします。
それだけの騒がしい場所であれば、耳栓を使わないといけない規定があると思います。
今はライブ用で、人の声だけを聞き取とりやすくして、外部の騒音のみを遮音するような耳栓もあります。
だから無理をせず、そういったフィジカルな対策をとっていく。
ボクの職場も耳栓が必須ですが、しなくていいと考えている人が多いんですね。たまに「耳栓は必要ない」と言われることがあります。
でも、結果的にその人達は耳を悪くしてるわけで。
そんな選択肢はボクにはないし、音楽好きとしても避けなければいけないので、全力で死守しています。
また、人ごみに出る場合は聴覚上のストレスをなくため、イヤホンを活用しています。
好きな音楽をながして、人の声や音をカットしてしまう。
ただあまりにも遮音性が高いイヤホンだと安全面で危険ですし、音楽に集中し過ぎてしまします。
なので音量を落とすか、インナーイヤー型だとある程度外部の音は聞こえるのでオススメです。
- テレビ、スマホ
テレビやスマホは先述した通り、どうしても音が刺さって聴こえてきます。
テレビであれば見ないことが最良ですが、家族などいるのであればそういうわけにもいかない。
そういうときはボリュームを予め少し下げておくとか、周りの人に下げてほしいと伝えておけば、音が気になることも少ないかと思います。
スマホの音はイヤホンを付けて楽しむようにすると気にならなくなりますね。
どうもスマホのスピーカーが苦手に感じるんです。
イヤホンであればそこまで刺さらないので同じ悩みを持っている方がいればオススメします。
音楽に感性が開放される

日常生活の、特にストレスと感じるような「音」について深堀りしてみました。
でも冒頭でもお伝えしましたが、苦に感じることと同じくらいに「良いこと」もあるわけで。
その中でもやはり
「音楽」
これがHSPの聴覚が敏感な人にとっては「癒やし」なんですよね。
音の微妙な変化にも過敏ですし、音色に身を任せて感性を開放するので音楽をただ純粋に楽しめるんです。
それは喜びに満ちていますし、その瞬間だけは嫌なことも忘れられる。
自分にとって心地いい音楽であれば時に感極まることもあるくらい。
それくらい音楽に集中できるし、安心して音楽を心ゆくまで楽しめます。
これができるのは繊細さんの強みですし、大事にしたい部分。
なので、自分が好きな音楽をたくさん聴いて楽しんでくださいね。
そうすることで日頃のストレスなどと、うまくバランスを取っていけると思います。
終わりに
自身がHSPなこともあって、かなり主観的なことが強く出てしまいました。
でもそれくらい同じことで悩んでいる方もいると思うんですね。
音一つにとってもこれだけのストレスがある。
でもそれの反面、相応の良いこともあります。
なのでうまく「バランス」を保ちながら日々を過ごしていきたいですね。
嫌な音を聞いたのなら、その倍くらい「いい音」を聴いて自分の感性を大きく開いてみる。
そうやって楽しみながら過ごしたいですね。