ヘッドホンのバランス接続が無意味なんて言わせない。その理由4選

ヘッドホンをアンプにつなぐ際、「バランス接続」というものがあります。

バランス接続といえばポタアンにも採用されているものなので、「高音質」を狙うべく、バランス接続対応機種を導入している人も多く見かけます。

中には「バランス接続は効果がない」

そんな意見もよく見聞きします。

結論から言えば、「半分はそのとおりで半分は違う」です。

煮え切らない結論なのですが、実際そういうイメージです。

実は、DAPやポタアン程度ではバランス接続の良さを体感できないんですね。

ある程度のハイエンドクラスでもこの現象があるくらいで。

でもそうではなく、ヘッドホンケーブルはもちろんアンプ内部の構成がしっかり「バランス接続に向けて徹底されたもの」であれば、バランス接続の恩恵を得るためには欠かせない要素になります。

アンバランス接続、バランス接続ってなに?

バランス接続、アンバランス接続といっても。

その言葉自体は聞いたことがあるけど、実際にどんな接続方法なのか。

ここでもう一度振り返ってみようと思います。

アンバランス接続

DAP(デジタルオーディオプレーヤー)や、ポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)でヘッドホンを駆動させるための接続方法をアンバランス接続と呼ばれています。

アンバランス接続はこれまで主流だった一般的な接続方法なんですが、どういったものかというと。

アンプから出てきた音声信号が、左右のチャンネルで「一括」にされたグランド(GND / アース)へ流れる。

そんなデメリットを持つ接続方法です。

左右で共通のグランドに信号が流れるので、左右のチャンネルで音声が入り交じってしまう。

左右の音声信号が、アースに混ざってしまうことを「クロストーク」と呼ばれています。

(ざっくり言えば、左の音が右にも入ってきて混信していたんですね)

クロストーク=干渉ノイズ

のことで少なからず音質劣化を招いてしまう接続方法だったんです。

バランス接続

でね。

そんなクロストークを解消した、高音質な接続法を「バランス接続」と呼ばれていいて。

アースが独立していて、L+,L-,R+,R-の各信号を個別に伝送するのがバランス接続です。

要は、アンバランス接続ではグランド/アースが左右で共通化されていたために、音声信号がそこに流れて、信号が混ざっていたんですね。

その点、グランドが独立しているので左右の信号を細かく4チャンネルで構成されているのでクロストークなどのが皆無になります。

つまり、そんな音の混ざりがないので「音の分離」がいいとされています。

バランス接続のメリット

そんなバランス接続の魅力として以下の4つのことが考えられます。

  1. 音の分離がいい
  2. 解像度が高くなる
  3. 立体感がよくなる
  4. 全体にドライブ力が上がる

です。

  • 音の分離がいい

音の分離に関しては先ほどもお伝えした通り、アンバランスには存在した音の混信が根本から改善されているので雑味のない細かい音も楽しめるということになります。

「左chの+とー」「右chの+とー」

音の信号を対となって動かしていくので、アンプへの負担軽減とヘッドホンのドライバーを無駄なく駆動させることができるんです。

  • 解像度が高くなる

音の混信、クロストークが大幅に改善されているので、左右の音にステレオのイメージ像がはっきり掴める。

これがどうしてもアンバランス接続だとモヤがかかったような曇った音の印象なので、クロストークの改善がかなり効果的に活かされていますね。

  • 立体感がよくなる

そして音の立体感。

これは後述しますが、バランス接続としてアンプからケーブルまでをすべてバランス化した時の音の立体感は、まるでスピーカーを通して聴いたかのようなレベルなんです。

左右の分離した音と、明瞭な解像度が掛け合わさり、「立体感」も前面に出てきます。

  • 全体にドライブ力が上がる

バランス接続のはその明瞭な解像と立体感に加えて、「ドライブ力が優れている」ことです。

音楽に力が宿るだけではなく、情報量や空間描写も気持ちよく聴かせてくれる。

そんな力強さをバランス接続では感じます。

バランス接続のデメリット

ここまで見てみるとかなり良質な接続方法なんですが、そこにはデメリットもあって。

そんなデメリットもあわせて考察していきたいと思います。

  1. 対応機種がハイエンドクラスしかない
  2. 疑似バランス機だといみがない
  3. DAPやポタアン程度では良さがわからない

の3点です。

  • 対応機種がハイエンドクラスしかない

バランス接続の弱点として、採用されている機種の価格が高額だということです。

バランス化を施したアンプだと、実寸も大きめなものになってしまいますし、内部のコストも相当なものになります。

なので単純にバランス接続に対応した機種であれば、ハイエンド級を狙うことになります。

  • 疑似バランス機だと意味がない

でも、「ポタアンやDAPにもバランス対応のものはあるよ」という声が聞こえてきそうです。

ここで知っておきたいポイントは、アンプの出口だけが4極(5極)だと、「疑似バランス機」になるということです。

具体的例だとALO Audio「Continental Dual Mono」も2.5mm 4極プラグを装備していますが、アンプ内部は2chなんです。

2chアンプでバランス信号の4chは扱えません。

L+,L-,R+,R-を別々に増幅しているわけではないので「疑似バランス」となるわけです。

「アンプの出口で配線を二股に分岐させているだけ」となります。

  • DAPやポタアン程度では良さがわからない

ハイエンドクラスのアンプに採用されているような4chアンプを内蔵していない限り、その良さがアンバランスと聴き比べても分からないと思います。

「バランス接続に効果がない」

といわれる由縁だと感じるんですね。

それくらい、本当のバランス接続を聴いた時の音は随分印象が変わってくる。

なので、もしプレイヤーやポタアンでバランス接続をしてみてけど「何が変わったのかわからない」

そう感じたのであれば、やはりバランス接続の良さが発揮できていないんですね。

アンプ次第でバランス接続の恩恵を得られる

じゃあ、バランス接続の良さを発揮できるアンプってどういうものなのか?

具体的なものだと、Woo Audio WA22をボクは愛用しています。

内部が4chアンプ構成で、L+,L-,R+,R-の信号を個別に増幅してくれるタイプなんですね。

アースには一切信号が流れませんので混信や雑音が少ないのが特徴です。

そのアンプにヘッドホン側のケーブルをXLRケーブル4pinなんかにしてみるとフルバランスで楽しむことができます。

ここまでしてみると、バランス接続の良さがヒシヒシと体感できてくるんです。

アンバランス接続とバランス接続を比較してみた結果

気になるのがアンバランス接続とバランス接続の比較だと思います。

アンバランス接続にすると先述したメリットの「解像度」「立体感」「ドライブ力」がびっくりするほど低下していたんです。

それほどの違いを一聴しただけでイメージさせてくれます。


入力波形の振幅が半分になるのが原因で「ドライブ力」は半分になります。

その反面、バランス接続ではこれらの要素が確実に昇華している。

なのでアンバランスとバランスの差をヒシヒシと実感できるレベルの違いなんですね。

終わりに

アンバランス接続やバランス接続ってオーディオにある程度深く精通した方でないとなかなか難しいんですよね。

プレイヤーやポタアンでは「バランス接続」とメーカーが謳っているので身近に存在こそしても、実際に出てくる音は本来のバランス接続とニュアンスが違ってくるわけです。

そうすると、結局バランス接続でもアンバランス接続でも出てくる音は同じとなってしまう。

けれど本来のバランス接続であれば、その差は明確。

なので、そこまでいこうとすると敷居は高くなりますが、ぜひ本来の「バランス接続」の音を聴いてみてください。

きっと驚かれると思うんです

今回の記事を参考にバランス接続を極めてみてください。