以前こんな質問をもらいました。
「カナル型のイヤホンをつけると耳の中が痒くなるんです。何が原因ですか? 対策とかってありますか?」
という質問でした。
あーその悩みってほんとに良くわかります。笑
ボクもイヤホンで音楽をよく聴くから、今回の質問者の方の悩みって本当によく分かる。
イヤホンの使用頻度が高ければどうしても痒くなるんですよね。
しかも繰り返す。
この「痒み」が結構、根が深くてなかなか良くならないのですが、しっかり向き合わないと思わぬトラブルになりかねます。
最悪の場合「難聴」のリスクすら伴うほど。
なのでイヤホンを使って耳が痒くならないように対策する。
そんな方法をお伝えしていこうと思います。
痒みの原因はどこから?

耳の中ってかなり繊細で、そもそも皮膚自体が薄いんですね。
外部からの刺激ですぐにかぶれたり、傷がついたり。
なのでイヤホンなど、特に「カナル型」と呼ばれるタイプは耳の中に入れ込むタイプなので余計に汚れが溜まりやすく、耳に負担がかかります。
カスタムIEMなんかは耳の穴の形に沿っている形状なので、「耳がかゆい」っていう悩みを持っている方ならより痒みを誘発することになります。
そんな痒みの原因としては
- イヤホンを長時間つけていた
- 水で耳の中が湿った状態でイヤホンをした
- 耳が乾燥している
- イヤーピースが肌にあっていない
- 耳に中をさわるくせがある
- 耳掃除のしすぎ
が考えられます。
イヤホンを長時間つけていた
イヤホンを装着するまでは痒みなんて症状はなく、音楽を長時間聴いていたらなんとなく耳に違和感がでてきた。
そんな場合であれば長時間の音楽鑑賞で、耳に湿気が出てしまい、それが元で被れてくる。
あるいはイヤホンを付けていたけど、イヤホンがズレてしまってそれを付けなすためにグリグリしてしまう。
そうすることで、耳の外耳が擦れてしまって傷が入る。
そうすることで痒くなってしまうんですね。
あとはイヤホンを付けて体を動かしていく過程でもイヤホンが耳の中で動いて小さな傷が入ったり。
こんな風に、長時間音楽を聴くことで耳の中では負担がかかっているんですね。
水で耳の中が湿った状態でイヤホンをした
これもよくあるパターン。
風呂上がりなどで、耳の中が濡れた状態で音楽を聴いてしまう。
耳が濡れたままイヤホンを付けると、とても不快な音が耳の中に広がると思うんです。
とても付けていられないし、そのまま聴いていると耳が蒸れて痒みを伴ってきます。
耳の中の水滴がイヤホンの内部に入りかねません。
耳垢などの汚れも、湿気でふやけているからイヤホンに付着してしまう。
湿気と汚れでイヤーピースの劣化も早めてしまうので注意が必要ですね。
耳が乾燥している
続いて、耳が乾燥しているケース。
乾燥肌をお持ちの方であればある程度、対策をしておかないとすぐに皮膚が白くなりむけてくる方もいると思います。
それは耳の中でもおきてしまうわけで。
乾燥した外耳にイヤホンを付けたら、ただでさえ乾燥して弱ったところにイヤホンが当たるので皮が剥がれてしまう。
そこから痒みを引き起こすんですね。
乾燥肌体質の方はこういったところにも思わぬ盲点があったりします。
特に冬場の乾燥は大敵で、すぐに皮膚が突っ張ってしまい、ケアが必要になってくる。
ボクも乾燥肌と長い付き合いですが、乾燥するシーズンになると耳の中まで乾燥してくるので、イヤホンで音楽を聴く時はかなり神経を使っていましたね。
イヤーピースが肌にあっていない
シリコンなどの素材でできている「イヤーピース」が自分の肌にあっていない場合。
少し付けただけで、まるでアレルギーのように痒くなり被れてしまいます。
これも先述した「乾燥肌」と関係してくると思うんですね。
乾燥して弱っている耳に、シリコン製のイヤーピースを使えば余計に外耳が炎症して痒くなります。
もし、イヤーピース付きイヤホンを使っていて、耳の中に少しでも違和感を感じたなら、「痒い」という症状が具体的に出てくる前にイヤーピースそのものを見直す必要があると思います。
慢性的な痒みの原因にもなりますので、侮らないで対策を考えたほうが良いと感じます。
耳に中をさわるくせがある
ボクは年から年中、肌が乾燥しやすいんですね。
もともと皮膚が弱いのか、夏は汗でかぶれて、冬場は乾燥で肌が荒れる。
そんな皮膚の症状として「かゆみ」が伴ってくるわけですが、耳の中も例外じゃなくって。
音楽が好きだから日頃からイヤホンを使い、仕事では耳栓を使う。
常に耳の中は負担がかかっているので、何も耳に装着していないときでも違和感があったり痒みがあるんですね。
そうなると、自分でも無意識のうちに指で耳を掻いていたんです。
痒いからつい指で耳の中を掻く。
だから、余計に皮膚炎のようになって、ひどいときは血が出てしまったこともあります。
さすがに掻くクセを改めて、イヤホンなんかの使用は避けたんです。
でも、こういう耳のかゆみって気になるんですよね。
痒くて我慢ができない。
それが元で耳をさわるので、余計に外耳なんかが荒れてしまう。
こういうことが実体験としても痒みの原因につながります。
耳掃除のしすぎ
でね。
痒をより誘発する原因として「耳掃除のしすぎ」が結構多いと思うんです。
痒いから「汚れが溜まっているかもしれない」
そう思ってこまめに掃除をしてしまう。
でもこれってかなり悪循環なんですね。
耳掃除ってとても気持ちがいいものだから、つい高頻度でしてしまう。
特にイヤホンを普段使いにしている方は、耳の汚れなんかも気になって毎日のように掃除してしまうことも。
実は耳掃除自体は2~4週間に一回、または月に一回でもいいそうなんです。
(ボクは多いときで2日に1回とかしてました。。)
でね。
耳掃除をすることで、耳の中の外耳を必然的に擦ってしまう。
擦ると外耳に小さなキズが付いてそこから痒くなるんです。
痒くなるから気になってしまい、耳掃除をしなければ我慢できないくらい痒くなる。
そうやって悪循環してしまい「外耳炎」などを引き起こしてしまうことも。
だから良かれと思ってしていた耳掃除も、逆に「痒みの元」だったんですね。
痒みを収めるためには

痒みの原因は理解できた。
そこから解決策が見えてくるのですが、耳のかゆみに関してはしっかり対処してた方が良いと冒頭でもお伝えしました。
かゆみは繰り返します。
なのでその解決法を知り、好きな音楽を楽しむためにも見直していく必要があります。
具体的な解決策としては
- イヤホンを適度に外して小休憩を挟む
- 水が耳に入ったら、乾くまでイヤホンを使わない
- 乾燥して痒みがあればイヤホンを使わない
- イヤーピースの材質を替えてみる or こまめの手入れをする
- 耳をさわるクセを改める
- 耳掃除をやりすぎない
の6つで、ありきたりな答えから実際に改善した方法まで網羅しています。
よくみる解決策かもしれませんが、これを実践するだけでもかなり改善できます。
実際に行動してみると慢性的な耳の痒みから脱却できるので、詳しく解決法を深堀りしていこうと思います。
イヤホンを適度に外して小休憩を挟む
イヤホンの使用頻度が高い方で、「そこまでかゆみ自体は出てないよ」って方もいるかもしれません。
しかし、いつ痒みが出てくるかは分からないわけで。
イヤホンを長時間使い続ければ耳にとってはストレスで、かゆみが出てくる可能性は十分にあります。
そうならないように、かゆみが出ないような対策が必要で。
なので、まず手軽にできて効果的なことは「イヤホンを適度に外して小休憩を挟む」になります。
長時間イヤホンをしていれば、特に夏場の暑い時期なんかだと耳の中が蒸れて雑菌も沸きやすくなる。
それを防ぐためでもあるし、長時間のイヤホンでの視聴は「難聴のリスク」も可能性として考えられます。
難聴については「イヤホンをすると耳鳴りがする。その原因と対策、難聴を回避する方法。」でも書きましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
なので、まだ症状としては軽度、あるいは「まだそこまで気にならない方」
に意識してもらいたいポイントですね。
水が耳に入ったら、乾くまでイヤホンを使わない
風呂上がりなどで耳の中が濡れてしまうわけすが、それはシャワーだけの方でも同じで。
しっかり拭いたつもりでも、耳の中の水っ気はまだ残っていることは結構あります。
なので、風呂上がりなどの何かしら水に触れた状態であるなら、それを拭いてからある程度時間を置く必要があると思います。
耳の中が乾くまでに時間がかかりますし、耳のためにもイヤホンのためにもしっかり乾燥させてから使いたいですね。
乾燥して痒みがあればイヤホンを使わない
乾燥肌の人って常に皮膚が痒くてつい掻いてしまいます。
耳の中も乾燥してしまう事があるので、イヤホンを使う前から「痒いなって」そう事前に感じたら、使用するのはやめておいたほうが良いですね。
我慢して使っても、乾燥して敏感になった外耳にキズが入るし、余計に痒くなります。
対策としては、市販の炎症どめを使うのもオススメです。
耳の中で「炎症どめを直接患部に塗り込むタイプ」や、「飲み薬」などがあります。
もし、薬に頼る程度でないようであれば、「イヤホンを控える」
これがなにより有効的ですね。
イヤーピースの材質を替えてみる or こまめの手入れをする
より具体的な解決方法として、イヤーピースの交換をオススメします。
イヤーピースはシリコン製のものが多く、特徴として音質的にはいいと感じるタイプが多い。
けれどこれが原因で耳が敏感になってしまうケースも。
なのでシリコン製からフォームタイプの低反発なものに変えてみる。
痒みの改善や、痒みそのものを誘発しにくくなります。
材質の他に「サイズ」も見直したいですね。
大きめのものを使っていて、耳の中に無理やり押し込んでいるのなら、それはやはり耳にとっては大きな負荷がかかる。
かといって小さすぎると、抜けてきて何度も入れ直さないといけない。
そうなると外耳を痛めてしまうので、自分にとって快適なイヤーピースの選定が重要になってきます。
どうしても合わない場合は、「カスタムIEMのようなイヤーピースを作ることも可能でイヤホンの音質が悪い!音質が良くなる5つのステップ」でお伝えしましたが、「オーダーメイドイヤーピース」を作るとこういった選択肢もあります。これでサイズや装着感の問題が解決できますので、検討の価値は十分にあるとボクは実感しています。
耳をさわるクセを改める
乾燥して慢性化した外耳の痒みに悩まされ、無意識に耳の中に触れていたボクなんですが、これを改善するためには兎にも角にも「耳の中をさわらない」こと。
これに尽きるんですね。
そして意識をすること。
なかなか痒くて触りたくなるのですが、そこはグッと我慢。
痒みが引くまでイヤホンは使いませんでしたし、仕事上、耳栓は使わないといけませんがこまめに外して耳を開放していました。
フィジカルな対策としては、「触らないこと」と「薬の力」を頼ることです。
耳の中で使える炎症どめもありますし、飲み薬もあります。
なのでそれを使いながらケアしていくと痒みも早く改善できます。
ここをしっかり対策できるかで、症状の進行を抑えられるか分岐します。
いい音楽を楽しむためにも実践あるのみだと思いますね。
耳掃除をやりすぎない
最後は耳掃除ですが、「どんなに痒くても、気になっても耳にふれない」というのは先述したとおりです。
その上で、期間をおいて耳掃除する場合は、綿棒なんかの柔らかいものでとにかく優しく触れるのがコツです。
そして掃除する深さが大事で、気になって耳の奥の方まで掃除してしまえば、皮膚の薄い外耳を傷つけます。
それと同時に、垢を奥に追いやってしまい「音が聞き取り辛くなる」可能性も。
なので耳の奥の方であれば、ある程度時間が経てば、垢が勝手に耳の入り口まで出てくるそうなんです。
掃除に関しては、耳の入口付近を軽く掃除するくらいで十分とのことなので、そこを意識するだけでもかなり改善できると思います。
ボクもこの方法を知ってから、耳掃除は頻度を少なくして入口付近のみに変えました。
その効果もあってか、耳掃除をすることで余計に痒くなることも無くなりましたし、そこまで痒みも気にならなくなりました。
余談なのですが、ボクの場合「乾燥肌」が影響して耳の中も乾燥しやすい体質でした。
高頻度で耳掃除をしていた時、かなり垢が出ていたんですね。
なので余計に耳掃除をすることに拍車をかけたんです。
ある時、「これって乾燥した肌が剥がれているんじゃないか」という点に気づいたんです。
耳垢ではなく乾燥で剥がれてしまった肌。
肌が剥がれれば痒くなるわけで。
こういった事もあるんですね。
なので、それが原因で外耳炎を引き起こしかけていたんです。
幸い、イヤホンの使用を控えたのと、薬の服用で改善しました。
もし必要であるなら耳鼻科に行ってみることも考えたほうが早く解決できると思います。
ヘッドホンを使う

どうしてもイヤホンの使用で耳の痒みを繰り返すという方であれば、根本的なところからイヤホンをヘッドホンでの視聴に切り替えてみる。
こうすることで、慢性的な痒みから開放されるケースもあります。
実際にボクもイヤホンを使わなかった時期、その半年くらいの間はヘッドホンやスピーカーオンリーでした。
耳が回復しても、イヤホンの使用は外使いの短時間のみ。
家の中では完全にヘッドホンにしています。
こうすることで、耳の中の負荷が減って痒み自体も少なくなりました。
ここは思い切って、ヘッドホンをメインにするのも一つの手ですね。
終わりに
ここまで、イヤホンをすることで起こる「耳のかゆみ」
その原因と解決策をこまかく深堀りしてきたわけなんですが、なぜこんなに細かくしたかというと、この「かゆみ」が元で外耳炎になったり膿が溜まって難聴のリスクすらあるからなんですね。
音楽を楽しめなくなっては、音楽好きとしてはこんなに苦しいことはありません。
なのでそうならないためにも、ごく初期の段階であっても対策していった方がいいと思うんですね。
そこまで極端に症状がないにしろ、「かゆみ」っていうのは多少なりのストレスを感じます。
「かゆみ」っていうストレスを持ちながらの音楽鑑賞は当然、心から楽しめることってないと思うんです。
なのでもし、「耳のかゆみ」に悩んでいる方がいれば、今回の記事をぜひ参考にして改善していって下さい。