「ヘッドホン・ヘッドホンを購入予定なのですが、値段が高いほど音質はいいと思うんです。 正直そこまで劇的に音って変わるんでしょうか? またそれはイヤホンでも同じ事がいえますか?あとヘッドホンやイヤホンのオススメを聞きたいです!」
こんな質問を以前もらいました。
ボク個人としては、値段が高い=確実に音は良くなる。
けど、劇的に変わるかといえば、全てがそうではないとも思っています。
それはイヤホン・ヘッドホンともに同じ。
オーディオって「高ければ高いほど良い音になる」って考えがちなんですが、意外とそんな事なくって、機材の組み合わせでトータルバランスというか相性があるんですね。
だから使いたいイヤホン・ヘッドホンがつなぐ機材とマッチしているのか?
そして、何も高価な機材でなくても、数千円のイヤホンで「スピーカー」的な鳴らし方をするものだってあります。
この質問をくれた方が、どんな環境で聴いているかによりますが、おそらくポータブルプレーヤー直刺しで聴いていると仮定してお伝えしていこうと思います。
値段が高いほど音は良い

値段が高ければ音は良い。
これはイヤホンでもヘッドホンでも同じで。
高級機クラスの機種であれば「音が良い」のは基本装備なわけであって音質面では特に心配することもなく安心して購入して良いと思います。
このレベルで求められるのは「音が良い」を基準にして、音の傾向、デザインとか「いかに個性を出せるか」など、そういった面でハイレベルな向上をしています。
音だけの変化のみを考えると価格が上がるほどに音質もランクアップします。
後ほどお伝えしますが、高級機の中ではイヤホン・ヘッドホンの領域すら超えてしまった機種があるのも事実で。
その辺のレベルまで行くなら、まさに「激的に」どころか「神の領域」くらいまで音質が変化します。
いや、これは大げさなんかじゃなくマジの話・・・笑
アンプを使う

でね、
イヤホンはヘッドホンに比べたら音質面では劣ります。
単純に考えても本体の大きさや振動板の作り、耳の中に入れるか入れないかでも違ってきます。
じゃあ安いイヤホンなら良い音が鳴らせないかと言えばそんな事はなくって。
安くても高くても、イヤホンやヘッドホンを十分に鳴らせるだけの駆動力だったりパワーが必要になってくるんです。
ポータブルアンプを間にかませることで飛躍的に全帯域の音質がグレードアップします。
なので、なにも高額な機種にまで手を出さなくても、ポタアンをつかってみればこれまでとは一味違う音質を聴くことができます。
けど冒頭でも少し触れましたが、音は良いんだけど、自分の機材にマッチしていて、その上で好みの音質を鳴らせるかは別問題で。
料理でおいしいスープが食べたくなった。
特に考えもなく、たくさんの具材と調味料をいれてみたんだけど、実際に食べてみればなんだかよく分からない変な味になってしまった。
そりゃ、がむしゃらに材料や調味料を入れれば味が分からなくなるのも当然で、ここで必要なのは、まず洋風にするか和風にするのかを決める。
そんで次に具材を入れて、それが活かせるような味付けをしていき、うまく全体のバランス整えていけば、おいしいとなるわけです。
これはオーディオの視聴環境にも同じ事が言えて。
自分はどんな音が出したいのかをまずは考えてみる。
イヤホンやヘッドホンであれば重低音が好きなのか、中高音よりのサウンドが好みなのか。
それに合わせてポタアンを決めていけば、自分好みの音質を得られます。
ポタアンにも、低音よりだったり中高音よりだったり、メーカーで微妙な傾向があるので事前にいろいろ調べてみるとより失敗は少ないかと思います。
実際に聴いてみる

安くても高くても、どれだけ変化するかは実際に聴いてみないと実感が湧かないと思うんです。
「音質重視!失敗しない「高音質」なヘッドホンの選び方」でも書いたんですが、やっぱり視聴や試着は大事。
製品ページやレビュー記事の情報だけではイメージでしか音質を想像できないので、実際に店舗に行ってみて気になる機種を聴いてみる。
これが最短で実感を得られると思うんですね。
もし、ポタアンなり環境を整えているのならなおの事、視聴環境との相性も知れてオススメです。
オススメは?

質問にもあったオススメの機種なんですが、安いものから高いものまでボクが個人的に推しとして紹介できるものをお伝えしたいと思います。
今でこそハイエンドオーディオと呼ばれる部類まで幅を伸ばしたわけなんですが、そこに辿り着くまでにイヤホン、ヘッドホン、ポタアンやケーブルに至るまでいろいろ試してきたんですね。
音質の傾向も最少は重低音が好みで、次第に中高音、ヴォーカルメイン、最終的にフラットに落ち着きました。
そんな積み重ねの中であることに気づいたんです。
どの製品も微妙な音質変化はあるけど、どれも似たり寄ったり。
質問してくれた方もこの辺が気にかかっていたと思うんですね。
それはイヤホン・ヘッドホンの音を鳴らす心臓部が、メーカーで色付けされてはいるものの基本的に他所のものを自社に適合させているんですね。
だから根本では実は同じ。
もちろん全てではないし、たとえ他所の同一ドライバーユニットだとしてもチューニング次第でいい音には十分なります。
参考記事:「高級ヘッドホンと安いヘッドホンでは何が違うの?隠された真実を徹底解剖。【ヘッドホン篇】」
ボクが現在好んで使っている機種はいわゆる「自社生産」ができるメーカーなので音も個性も他社とは一線を画してますね。
どこかというと、日本の「final」とフランス「FOCAL」です。
Piano Forte シリーズ

finalが生み出した、イヤーパッドを廃して、ホーンスピーカーの原理を採用してつくったシリーズですね。
オープン型とカナル型の両方の特徴をもっていて、内部の振動板は大口径15.5mmφと16mmφ。
通常のイヤホンなら8mmφ程度。比較して約3倍。
ドライバーユニットは自社設計、自社生産。
なかでも5000円以内で買える「Piano ForteⅡ」のコスパが良すぎます。
実は、finalが旧「final audio design」時代に発売した、当初の2010年から現在まで変わる事無く愛用していたんです。
しかも音が良いという実感がボクの意識にはなくって、まるで空気のように常に隣に存在していました。
新しい、良い機能を謳った製品が発売されて、イヤホンの入れ替わりはこれまで何度もありました。
カスタムIEMも手に入れた。
でもこの「Piano ForteⅡ」だけはなぜか変えようとしなかったんです。
正直、愛着が強いわけでもなかったので、扱いもかなり雑で最低限、壊れない程度の配慮しかしていませんでした。
そんなある日、ついに内部で断線してしまい、これで使い納めかと思っていたんですが、なんと自分で筐体を外して内部の配線を修理したんです。
その動機が今でもよく分かってなくて、とりあえず体が動いていたとしか言えない感じなんです。笑
修理も無事にうまくいって現在まで使ってるわけなんですが、ある時ふと気付いたんです。
ボクはイヤホンやヘッドホンに「スピーカー」のような鳴らし方を求めていました。
で、
このPiano ForteⅡがまさにそれを実現していたんです。
この衝撃が凄まじくて、本当に一聴してこれといった特徴が見えなかったのが最初の印象でした。
でも手放せない。
なぜか。
ボクが理想とするスピーカーのような「立体的で全ての音が分離良く、うもれずに鳴り響く。」それを可能にしていたんです。
ボクのたましいが意識を超えて求めていたからこそ、ここまで手元に残っていたと確信したんですが、現在は生産終了品との事でかなり入手が困難になってしまいました。
なので、もし気になる方がいればまだ中古でも稀に出回っていますし、機会があればぜひ、試してほしいですね。
FOCALヘッドホン

このブログでも度々登場しているFOCALのヘッドホン。
なかでもベリリウム振動板を搭載した「UTOPIA」と「STELLIA」。
「Focal Utopiaヘッドホンの実力をフルに発揮!オススメの真空管アンプとは?」
なんかでもお伝えしましたが、設計から生産、音に関して一言でいうなら「世界最強」です。
これ以上のヘッドホンに出会ったことがないくらい、全てにおいてレベルが違います。
唯一の弱点を上げるなら、実力の100%を鳴らし切るのが難しいくらい。
でも鳴らし切れれば、これまで体験したことがないような新しい音楽体験が待っているんです。
まとめ
- 高いイヤホン・ヘッドホンなら音は良くなる
- 自分の音の好みを知る
- アンプを使う
- 機材との相性を考えてみる
- オススメはfinalとFOCAL
質問への答えをまとめるとこんな感じ。
人それぞれ音の好みとか求める傾向って違うと思うんですね。
オススメに関しても熱く語ってしまいましたが、あくまでボク個人の推しなので、自分がいいと思えるイヤホンやヘッドホンを探してみて下さい。
高いだけではなくて、5000円以下のイヤホンですら心から「良い音」と呼べる機種に出会えているので、ぜひ自分の理想や好みを大切にしながら探していただけたらと思います。