「真空管をも聴き分ける。Utopiaの音楽再生能力」

Focal「Utopia」ヘッドホンの魅力の一つに、
並外れた音楽再生に長けているということです。

アンプの微妙な性質はもちろん、機材の不調まで気づかせてくれるほどです。

ボクは真空管を使ったアンプが大好きで、いろんな真空管を聴いたりするんですが、
驚いたのがその”真空管の個性”まで繊細に描き出してくれるんです。

そもそも真空管ってなに?

現代の日常生活ではまず見ることも聞くこともない真空管ですが
一体どんなものなの?ってなる方もいると思うのでここでざっくりですが解説してみますね。

真空管は限りなく真空にしたガラス管(金属等)の中に電極やヒーターが入っています。
そして、電子の増幅や発振、整流をすることができます。

今のアンプでいうところのトランジスタ(半導体)、音の増幅を担う部分です。

昔はラジオや通信機器なんかに使われていて、民生用から軍用に至るまで
かなり多種多様な真空管が存在していました。

そんな真空管を使ったアンプが今も根強い人気を持っています。
「半導体には出せない独特の音」なんて言われますが、まさにその通りで
真空管には個性があります。

例えば「6111」という名称の真空管があり、それを多数の製造メーカーが作っているとします。
もちろん、規格や特性は「6111」で統一されています。

しかし、それぞれのメーカーで微妙に音が違ってくるんです。

さらに面白いのが同じメーカーでも製造年数や民生用、軍用の違いでも音が変わってきます。

古き良きヴィンテージ真空管サウンド、このあたりが今の半導体にはない
“真空管”ならではの魅力ではないかと思います。

またメーカーごとにオリジナルのロゴやデザインがあります。
なのでコレクション性もあって、何かと深みにハマりやすいです。

ちなみにボクは真空管という底なし沼にがっつりハマっています…笑

真空管の個性はなかなか聴き分けられない

とは言えメーカーの違いこそあっても、同じ名称の真空管なら特性は同じですのでパッと聴いた
印象では違いが分かりにくいです。

Focal「Utopia」に出会うまでは。

これまで、ハイエンドと呼ばれるヘッドホンも愛用して使っていました。
正直、はっきりと断言できるほどの違いを認識できず、音楽環境をいろいろ整えても
あまり違いが分かりません。

ポータブル環境ならなおのこと。判別は難しいですね。

Utopiaは真空管の個性を聴き分ける

アンプで使用できる真空管の種類はある程度決まっていると思うんですが、
例えばボクが愛用している機種はWoo Audio 「WA22」です。

使える真空管の型は、整流管、ドライバー管、出力管の三種類に分けられます。

三種類とはいえ、その中でかなりの種類が存在し、同一型番の真空管もかなりあります。

先ほどから繰り返し話していますが、同一型番の真空管でもメーカーや年式で音が変わってきます。
そのわずかな変化をFocal「Utopia」なら聴き分けられるんです。

具体的にどんな感じかというと

まずはアメリカのRCA。
かなり有名どころなメーカーですね。

ヴィンテージRCA真空管はシャープで解像度が高く、ダンピングの効いたサウンドです。

“懐かしい映画館のサウンド”

そう思われる方もいるくらいです。

ヨーロッパ製造の「Osram(g.e.c)」なら
美しい倍音が響き渡り、豊かな音楽性のもとに美音系の頂点的なサウンドを奏でてくれます。

そして、真空管の世界ではかなり名が通っている「Western Electric」

そのサウンドはあらゆる帯域が弾けるように鳴り響き、音楽に「魂」が宿ります。
まさに真空管の絶対王者です。

といった具合に製造国や年式を含めて、Utopiaはメーカーごとその音色を描き出してくれるんですね。

機材の不調まで再現する

さらにUtopiaの実力に関心した出来事がありました。

いつものように音楽を聴こうと思ってアンプの電源を入れました。
いざ音楽を再生させるとなんだかいつもと音が違います。

左右からは音はしっかり出ています。
でもなんか違和感がある。

じっくり聴き込んでると左右に若干の音圧差があることに気づきました。
気のせいかもと思い、友人に聴いてもらったところ別に違和感はないとのこと。

あまりにも気になったので修理に出したところ、アンプのボリューム内部に接触不良がありました。
実はその直前にもメンテナンスに出していて、音出しのチェックもしてもらったばかりです。

そのメンテナンスで気づけないほどの音圧差だったので、恐るべきUtopiaの再生能力です。

そのほか、真空管だったら寿命が切れかけた時、特性が極端に揃っていない場合等も聴き分けられます。

おわりに

これまで使っていたヘッドホンだと微妙な個性まで聴き分けられなかったのが正直な感想でした。

この辺りまで聴き分けられると音楽を聴くのがとても楽しみになります。
真空管を使う環境なら、いろんなメーカーを入れ替えて聴きたくなります。

ヴィンテージ真空管の味わいを深く楽しめるのは
「Utopia」のみではないのか?と思います。

Focalの音作りへの姿勢は、かなり素晴らしいものだと身をもって体感した次第でした。

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